リオ五輪代表

  遅まきながらリオ代表について。ひいきの関根選手が外れてしまって残念でしかたがないが、セレクトは監督さんの専権事項なので仕方がないし、関根選手個人に力がなくて外れた、というわけではないと思っている。五輪選外でもA代表に入っている選手はいるし、五輪選出がピーク、という選手もいる。ただ、ロンドン時の原口選手と合わせ、レッズのアタッカーは縁がないなあ、と、やや恨めしい気分にもなる。選ばれるかどうかはさておいて、もう少しチャンスを与えるなり、関根選手を生かすやり方の模索があってほしかったなあ、とファンとしては思ってしまうところだ。
  そもそも「Jで試合にでられない選手は呼ばない」はずだったと思うのだが、昨年からJ1上位でレギュラーを張っている選手がここまで冷遇されるケースもあまりないように思う。「スタミナが」「守備が」と言われることもあるが、今年もたいていの国のU-23以上であろう広州やソウル相手にしっかりやりあっているし、これらの試合にスタメンで出ていること自体、同世代では希少な経験を積んでいるあかしであろう。海外組を除けば、トップリーグにおけるアタッカー陣の実績で関根選手と比較できるのは浅野選手くらいではあるまいか。今季は今のところ昨季ほどの調子ではないのは確かだろうが、それでも試す価値は十分にあると思う。

 とつらつらファンの立場で書いてみたが、最終的にA代表入りする選手に育てば、五輪代表に入ろうが入るまいが、どうということもないのだし、目指しているのはA代表での活躍なのだろうから、レッズなり海外で成長していけばいい。

女子サッカー、終わりでも何でもない

  五輪は逃したが、予選最終戦、なでしこらしい点の取り方と粘りの守備で勝ったのはよかった。まさか、といえばまさかの敗退なので世間的な反響は大きい。批判も大きいが、考えてみれば、北京五輪4位、W杯優勝、ロンドン五輪銀、W杯2位という、はっきりいってとんでもない戦績を残してきたチームなのである。女子の場合、W杯と五輪はほ等価値ともいえることを考えると、男子に当てはめたら近年のドイツとか、ちょっと前のブラジルみたいなもんで、日本サッカーにおいてはどれだけ称賛されてもいい偉業だ。
  もちろん、スポーツなので試合内容への適切な批判、批評は絶対にあったほうがいい。前のW杯でサイクルを終えたチームだとは思うが、その認識と、その上で偉業をたたえる気持ちはなんら矛盾するものではない。このあたり、区別をつけていない報道などが散見しているように思われる。

  不遇の時代から一気に世界の頂点、という幸福なストーリーは、思えば「女子サッカーが生き残るためには結果を出し続けないと」という、選手、現場の悲痛なまでの叫びと表裏一体だったし、その響きは今も続いている。宮間選手の「女子サッカーを文化に」という発言もその響きの一つだといえる。
 今回の結果で早くも女子サッカーへの影響を心配する声が報道などであふれているし、宮間選手も相当に悲壮な表情でインタビューに応じている。 当然、影響はゼロではないだろう。ゼロではないだろうし、責任感の強い選手たちなので悲壮な思いを抱えてしまうのは仕方ない。ただ、もうそろそろ「結果が出なければ女子サッカーは続かない」という、重すぎる叫びを終わりにすべき時期にきている、と感じる。それは選手たちがどうこうするべき、という話ではなく、協会やファンが普及なり応援で重荷を分かち合っていく、ということだ。選手である以上、結果にこだわるのは当たり前なのだろうが、周りがそれにとらわれすぎると、かえって選手たちを追い詰めてしまう。代表戦とリーグ戦は違う、といわれればそうかもしれないが、勝ちチームがあればその隣には負けたチームがいる。極端な話、負けたチームは消滅しても仕方ないのか、なんの価値もないのか、といえばそんなことは全然なくて、そこで選手が一生懸命プレーし、サポーターが熱心に応援することで生まれる熱気やくやしさにも十分意義があると思う。重荷を分かち合っていく、と書いたが、本当はそうではなくて、楽しみをともにしていく、ということなのだろう。
 
 勝利の喜びはもちろん、負けのくやしさも選手だけでなく、いろんな人たちとかみしめながらサッカーをやっていく国のほうが、いかにW杯を取ろうと、一度出場を逃すとサッカーそのものが消滅してしまう、という国よりはいいと思うし、結果強くなると思う。宮間選手は一部では代表引退、とも言われている。真偽のほどは定かでないが、仮に引退するとしても、まだサッカーを続けるなら、やることは残っている。それは普段のリーグ戦で一生懸命に、楽しんでプレーする姿をサポーターに見せてくれることだ。待っている人はたくさんいるはず。そんな姿がある限り、女子サッカーは終わりでもなんでもない。どうしてもMIOばっかりで、なでしこLは1回しか行ったことないが、またいってみよう。

  

原口元気選手

  あまり書く機会はなかったが、Jリーグで好きなチームはレッズである。MIOを知るまでは一番好きなチームだったし、今でも2番目である。J創設時に住んでいたところの近くにJチームはなく、どこを応援しようかと思っていたところに、実家の車が代々三菱車であったことと、当時主力選手の福田正博さんのプレーや風貌がかっこよかったことで、TV観戦ではあるがレッズを応援しよう、と思った。とはいえ、最初の数年間は悲惨の一言だったが。福田さんが好きだった影響で代々スピード、ドリブラータイプの選手に目が行き、岡野、永井、田中達、長谷部(レッズ在籍時はスラローム系のドリブルも結構やっていた)が特にひいき選手だった。

 その流れで当然原口選手も好きになったのだが、初めてテレビでプレーを見たときは、「なにこの才能」とちょっとした驚きだった。強さとうまさ、スピードをを兼ね備えたドリブルはもちろんのこと、シュートレンジの広さと強さ、精度がこれまでの選手たちとは一味違う感じで、デビュー時からポジションをつかみつつあったというのも納得の能力。守備やスタミナ、戦術理解なんかに課題があったとはいえ、テクニックに似合わず?闘志を前面に出していくスタイルにすぐに惹かれてしまった。
 気性の激しさでいろいろと問題も起こしたようだが、ピッチ上ではひたすら勝利を希求するプレーで、大宮戦での倒れこみシュートや名古屋戦だったと思うが前からの守備でボールを奪ってそのまま決めたゴールが印象深い。ドリブルを徹底マークされるスタイルの割りには大きなけがもスランプもなく、フィジカル、守備への切り替えの遅さ、スタミナ、戦術理解の課題なども、少しずつではあるが着実に改善していって、ブラジルW杯の年にはJでも相当抜けた存在になっていたと思う。当然W杯メンバーに入ってほしかったが、こちらも当然入れるだろ、と思っていたロンドンと同様に落選してしまった。しかし、ドイツにいって、また着実にプレーを改善、適応させしっかりポジションをつかんで、ブンデスでも名を売ろうとする存在になっているのを見て、勝手に応援している見ながら、しみじみとうれしい。

 ロンドン、W杯とメンバーに入れず、レッズでもタイトルがなく、近い世代に宇佐美、武藤選手がおり、ブンデスでは香川選手が大スターなこともあってか、能力、実績のわりに今一つ世間の注目を浴びていない原口選手だが、振り返ってみれば、ロンドン世代で海外結果を残しつつある、という点では清武、武藤選手についで大迫選手あたりとならんでいるといっていいと思うし、高3の年齢から大きなけがなく、J1、ブンデスでほぼレギュラー(半年くらいの中断期間はあったが)でやれている、というのは、日本のサッカー選手全体を見渡しても、結構驚異的な戦績ではなかろうか。
 代表ではまだ本領を発揮できていないが、攻撃能力のわりにチームにしっかりと献身でき、かつフィジカルもあるのでW杯を戦う上で不可欠な選手だと思う。ブンデスでももっとゴールを奪い、代表でも活躍する姿を楽しみにしている。

 今のレッズでは当然関根選手びいき。J1年間勝ち点2位のチームで攻撃面で大きな働きをするレギュラーとしてバリバリやれているので、今年も調子よければリオ五輪代表に選出されて当然の能力だと思っている。守備がどうこうという指摘もあるが、清水戦や名古屋戦では大きな外国人選手や永井選手と渡り合っているし、今の五輪メンバーに劣るかというと全くそんなことはないと思っている。原口選手が出られなかった五輪に出て、Jでタイトルを残して海外に雄飛してほしい逸材だ。

五輪出場決定

 MIOのほうはなかなか新加入、継続発表がないが、気長に待つとしよう。

 U-23は劇的な勝ち方で本大会出場を決めた。ドーハの悲劇をTVで観ていた身には感慨深いものがある。劇的な勝ち方だったことと、前評判がよくなかったチームなので「何とか掴んだ切符」というイメージを受けたが、よくよく考えてみると、5試合で12得点2失点、失点は怪しい判定のPKとCKのうかつすぎる処理ミスのみ。ハイボールの処理やこぼれ球を拾われるとひやりとはするが、流れの中できれいに崩されて決定機を作られた記憶はほぼない。またこぼれ球にしても、堅固なCB陣を中心にきちんと寄せてシュートコースを切っているケースが多く、枠内に飛ばされまくった、というほどでもない。
 「押されている時間が多かった」ともされるが、今回は環境上、TV音声をできるだけ小さくして観戦していた自分としては「割り切って構えているなあ」という印象だった。ちょっとハイボールがPA内でこぼれるだけで「セカンドボールがこぼれた!」と絶叫するTV音声がかすかに聞こえてきたが、通常の音声で聞いていたらピンチ感が増して「一方的に押されていた」という印象をうけたかもしれない。

 まだ決勝が残っているが、大会総評があるとして、今回の日本と全く同じ戦績、内容でほかの国が五輪行きを手にしていたとしたら、日本のメディアや評論家は「強固な守備をベースに一人のエースに頼らない得点力を備え、五輪出場にふさわしいチーム」と評価するんじゃないかな、と思う。

 J2所属選手が多かったりU-19で結果を出せなかったこともあって評価の低かった世代だが、なんだかんだいってやっぱりJリーグがあることで個々が成長していったことも大きいと思う。今回から久保、南野選手を抜いたようなチームで当時J3の町田ゼルビアにやられていることを考えると、Jのトップ層のレベルが上がっているかどうかはさておいて(上がっていると思うが)、J3、JFLまで含めて日本サッカー全体の層が分厚くなっているのは間違いない。世間的には「所詮2部」とみられているのかもしれないが、選手の技術、戦術とも10年前とは比べようもないほど上がっていると思う。北朝鮮のように特定のグループのみを常設チームとして強化し続けるよりも、元代表のベテランや下部リーグからのし上がってきた野心満々の選手など、海千山千の相手と、サポーターが願いを込める「チーム」を背負って年間通じて戦うほうが、きっといろいろな部分で成長につながるのだろう、と感じた。

五輪最終予選

  事前の危機感が奏功したのかどうなのかはわからないがここまでは順調。しかしすべては準々決勝、準決勝にかかっている。一発勝負ではチーム力どうこうとも言ってられないだろうから、とにかく勝つしかない。

  今回のチームについてはレッズの関根選手びいきなので人選にはうーん、というところだが、監督の専権事項なので仕方ない。人選については大いにアレだが、手倉森監督の強かそう、というか「勝てばいいんだろ」的な図太そうなところはこの年代には必要だと思っているし、評価したいところだ。いいサッカー、内容のあるサッカーはもちろん大事だが、自国の戦力と相手を見て、結果を出すための最善の手を打つ、という発想をきちんと押さえているように思える。北朝鮮戦もタイ戦も、相手がPAあたりまでボールを運ぶと民放は特に、BSでさえ時に実況の声が強まり「ピンチ感」が一気に上がって、やられっぱなしのように錯覚してしまう。しかしよく見返すと、2戦とも枠をとらえた決定的なシュートはあまりなかったように思うし、惜しいというのなら日本のほうがポストを叩いた数は多かったはず。北の攻撃は迫力はあったかもしれないが「黄金世代」を長期間拘束して鍛えぬいた結果のサッカーがあれか、とも思うし、タイのメッシは確かにうまいが突破のためにあのテクニックを使っていなかったので見ていて怖くはなかった。
 油断しない、向上のために常に危機感を持つことはいいことだが、彼我の力をきちんと見極めることも同じくらい大切だと思う。もちろんチーム力がそのまま結果に結びつく割合が低いのがサッカーではあるが、日本の場合は1試合負けると、=チーム力が低かった、日本のサッカーのレベルは全然ダメ、で終わらせる傾向が強い。
  思うに、最初から、あるいは結果が出なかったときに「日本はだめ」と結論付けておくのは、心理的に楽ちんなのだ。負けた心理的ショックを緩和できる。また勝ち試合でも「追加点が取れなかった」「押し込まれた時間があった。これでは先が思いやられる」とするのも同様の心理が働くのだとおもう。何事も楽観視するよりはいいのかもしれないが、そんな窮屈な心持だけでサッカーを見たり、伝えたりして楽しいかなあとも思う。タイ戦は全国紙のベテランサッカー担当の方が「2-0の状態で相手に付き合ってオープンなサッカーする必要がない」という趣旨のツイートをしておられた。試合運び、ということを考えてもまことにその通りと思うが、その場合辛口を自傷する評論家の方々は「タイ相手に追加点が取れないのは云々」とおっしゃりそう。すべてに完璧なサッカーを求めるのは、かえってサッカーの幅を狭めているようにも思う。

  ということで、ひいきの関根選手がいない(本番にはぜひ)こと以外はなかなかにいいチームやん、と思ってみているのだが、決勝Tは一発勝負。そりゃ負けてしまうことだってあるだろう。ただその場合でも、勝負をものにできなかったチームや監督が批判されるのは当然として、」このチームがまったくもってダメだったとか、日本サッカーの水準がどうしようもないとは全く思わない。もちろん残念だし、関根選手選んどけよ、と思うに決まっているがGLを抜ける力はあったわけだから、まー負ける時もあるわなーと受け取るだろう。「五輪」をこと重視する日本なので、仮に敗退した場合の批判は大きいだろうし、大きくてもいいのだが評論家の方々には「だから日本サッカーはだめ」という安直な思考停止的結論にだけは走らないで、なにができて何ができなかったのか、をきっちり分析していただきたい。幸いにも、というか、近年はネットでそのあたりをきっちりおさえてくれるK氏、S氏をはじめとする若手評論家の方々も出てきている。こういう方々の評論を読むと日本にサッカー文化が根付きつつあるのもまた事実、と感じる。
プロフィール

蹴球四十雀

Author:蹴球四十雀
滋賀のサッカーJFLチーム「MIOびわこ滋賀」を心の底から応援しつつ、たまにフットサルで息を切らす。一方、書斎での濫読(純文ラノベ歴史ノンフィクション)や琵琶湖周辺の野山歩きもこたえられません!

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