私たちのJリーグの行方

 Jリーグのシーズン変更がもつれている。2015シーズンから2ステージ変則プレーオフ実施で考えていたようだが、制度的欠陥が指摘されてどうなるか不明らしい。自分は基本的にJFLを観戦している立場だが、当然テレビではJも見ており、日本のトップリーグであるため動向には注目している。
 
 20年前に2ステージでスタートした時は、サッカーのプロリーグ自体が初めてだったので何とも思わなかったが、シーズンを重ねるにつれ、後期ステージの覇者がなんとなく有利だったり、年間1位チームが決定戦に出場できなかったこともあり不満もあった。ついに1シーズン移行したは優勝のプレミアム感がぐっと上がって高揚感を覚えたものだ。ひいきのレッズが優勝したときは心底うれしかった。故に、自分は今も優勝決定は現状の1シーズンがよい。J2との入れ替え戦あるなし程度は構わないが、順位自体はH&Aの1シーズンですっきり決着させてほしい。スタジアムではサポ―ターからも2シーズン制反対の声が上がっているが、同様の理由なのではないか。

 2ステージ導入は、プレーオフのテレビ放映によって収益と新規ファンの獲得が狙いという。しかし実際にスタジアムに足を運んでリーグを支えている熱心なサポーターをがっかりさせてまで導入するメリットがあるのか疑問だ。

 Jリーグに関心が集まらない理由としてよく「レベルが低いから見る気がしない」といわれる。確かにトップクラスの選手が集中する欧州の1流リーグに比べればレベルは落ちるのは間違いない。ただ、この場合の「レベル」が何を指すのかは疑問だ。世界に冠たる有名クラブは確かにいい選手が多く、面白いゲームをする。しかし下位チームは戦術といえば放り込み、選手の個人技もJリーガー以下というケースも珍しくない。そんな下位チーム同士の対戦が「見る気がしない」ものだとしたら、見るべきチームの数などかなり限られてくることになる。
 また必ずしも低いレベル=応援に値しない、ではない。春夏の高校野球は所詮高校生の大会だし、プロ野球だって下位チームの3、4番手ローテの試合は見られたモノではない時もある。それでも球場にはそこそこファンが詰めかけている。もちろん、選手がピッチの上でハイレベルなゲームを見せるため全力を尽くすのは当然として、レベルしか考えられない人は、逆になぜ低レベルなはずのJの試合に1万人超、時には5万人以上集まっているのかを考え直した方がいい。そこにレベルだけではない魅力があるからにほかならない。レベルアップは当然として、それ以外の魅力を地道に発信するしかない。

 「チームが多すぎ」という人もいる。プロ野球を引き合いに「10~12チームが適当」という声もあるが、そうなると新潟や仙台、松本山雅は生まれていなかっただろう。チームが拡大し(その一環として)MIOびわこ滋賀があることで、自分は順位とか、サッカーのレベルどうこうではなく、スタジアムに足を運んで選手の戦う姿を見るだけで、ただただ幸せになれている。Jリーグが始まり、根付くまでこんなスポーツの楽しみ方はなかったはずだ。こういう人はほかにも多いし、これこそがJリーグが目指している地域密着のサッカー文化ではないのか。経営が苦しかったり不人気チームがあるのは確かだが、減らすよりは新潟や山雅のようなチームに変わってもらえるようになる方策を考えた方が理念に近づく。

 Jの観客動員低下が叫ばれ、近頃はサッカー雑誌などでも「J改革やむなし」の論調が目立つ。現在のJリーグの在り方に対して厳しい評論家も多い。もちろん改革したほうがいい点はたくさんあるし、厳しい視線は必要だ。なあなあで済ませるよりはよほど良い。
 ただ新規ファン獲得や分かりやすさに目を向けるあまり、サッカー関係者でさえ、「既存のサポーターや応援、マニアックさはいらない」といっているようにしか聞こえない時もある。「一見さんには敷居が高い」とか「排他性がある」とかいうが、本当にそうか?たまに京都サンガの試合にも行くが、そんなもの感じたことはない。好き勝手に自分のスタイルで観戦できるし。「敷居が高い」とか「排他性」とかのキーワードだけが先行してないか?そうやってずっとJリーグを支えてきたサポーターやファン、つまりサッカー関係者の飯のタネになってきた人たちになんとなく肩身の狭い思いを感じさせて、何がしたいのだろう?

 サッカーを論じる人の中には、現状の課題(いつだって何にだって課題はあるだろう)をあげつらいたいばかりに、かえってサッカーの楽しみを損ないたいとしか思えない人もいる。欧州のサッカー文化がどうこう、と言う前に目の前のスタジアムに足を運んでみろ。ゆったりした記者席で戦術とやらの分析をあれこれこねくり回すのではなく、サポーターに混じって試合を楽しんでみろ。J発足から20年で確かに変わりつつあるサッカー文化やサッカーの楽しさを知らない人に伝えるのも大事な仕事なんじゃないのか。
 
 と近頃のJをめぐる論議にやや感情的になって書いてみた。
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蹴球四十雀

Author:蹴球四十雀
滋賀のサッカーJFLチーム「MIOびわこ滋賀」を心の底から応援しつつ、たまにフットサルで息を切らす。一方、書斎での濫読(純文ラノベ歴史ノンフィクション)や琵琶湖周辺の野山歩きもこたえられません!

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