五輪ちかし

 ロンドン五輪まで2カ月あまりとなり、OA招集がクローズアップされてきた。また今回は香川、宮市選手などU23の海外組が多く、W杯最終予選を迎えるA代表の日程とも絡んで彼らの招集についても議論になるなど、五輪代表史上、最も編成がややこしい事態になっているようだ。基本的なパターンは以下の4つに大別できるだろう。



① U23のみ(海外組なし)  

② U23のみ(海外組あり)

③ OAあり(U23の海外組なし)

④ OAあり(U23の海外組もあり



で、この4つに香川選手だけは外す、入れる?OAはA代表のレギュラー級?A代表の控えを使って経験摘ませる?OAの海外組どうする?など個別の事情が絡まりまくって、さらに複雑な様相を呈している。各パターンそれぞれ以下の利点(推進理由)と、欠点(否定理由)が考えられる。



「推進理由」                      「否定理由」

①若い選手の経験、チームの一体感、本戦出場への功労   経験不足、実力不足



②海外組でチーム力のさらなる向上            海外所属クラブでの定位置争い不利に、疲労蓄積



③OAの経験でチーム力向上               若手の経験の場を奪う



④最強メンバーの編成                  若手の経験奪う、海外組の疲労、所属での定位置争                            い



 各パターンの賛成反対については、ざっとこれくらいが思いつく。立場は異なれど、それぞれに説得力を感じる。 今回、これまで以上に議論が混迷気味になっている理由はもちろん、香川選手はじめ海外組が質量ともに飛躍的に伸びていることがある。
 日本サッカーにとっては喜ばしい状況だが、議論の根本としてはやはり、「五輪の位置づけ」に収れんされるだろう。サッカーでは当然W杯が圧倒的に頂点を占めるので、各国とも五輪はそこまで本腰ではなく、日本もそれにならってきた感じがある。しかし近年は南米を中心に力を入れ始めているようで、②③④のパターンを推す論拠の一つでもある。また「日本人の五輪好き」も②③④を強める理由になっているようだ。



 「近年ブラジルなど各国も力を入れている」のは確かだろうが、予選の方法や各大陸の枠、本戦の日程などW杯と比べると当然質は落ちる。またブラジルやスペインはW杯をとっちゃったので、ほかに取るタイトルが五輪くらいしかない、ということもあるのではないか。もちろん出場する以上は少しでも上を目指すのは当然だが、五輪が「日本サッカーの総力を注ぐ大会」かといわれると違和感を覚える。


 五輪のステータスが高い国内へのサッカー人気のアピールが必要なのは確かだが、日本は五輪のステータスそのものを考え直す時期に来ていると感じる。国籍変更で話題になった猫ひろしや、芸人の山崎しずが出場に挑み、日本の競技者水準には及ばない猫ひろしは出場でき(取り消されたが)、ボクシングを初めて3年ほどの山崎しずにもあわや出場、の可能性があった。五輪は基本的に超一流の選手が出場する大会なのは間違いないが、全体を広く見渡せばその程度の水準の選手が出場する、できそうな大会ともいえる。普及を兼ねた祭典としては大切な場所ではあるが、スポーツのレベルとしてはそこまで絶対視するべき大会なのだろうか。どうも日本はまだ「五輪選手」「メダル」で思考停止するくせがあるように思う。

 という訳で、五輪代表の編成として個人的には①または③でよいと感じる。もちろん選手が希望するなら②、④もありだが、けがや疲労には万全の注意を払ってほしい。W杯との差異化を改めて図るためにも、U23のみ、あるいはユース大会と統合でどうだろうか。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

蹴球四十雀

Author:蹴球四十雀
滋賀のサッカーJFLチーム「MIOびわこ滋賀」を心の底から応援しつつ、たまにフットサルで息を切らす。一方、書斎での濫読(純文ラノベ歴史ノンフィクション)や琵琶湖周辺の野山歩きもこたえられません!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード