レイテ戦記

 「レイテ戦記」大岡昇平・中公文庫


 1944年から45年にかけて、フィリピン・レイテ島での日米決戦を豊富な史料や証言をもとに精密に描写した戦記。

 「野火」「俘虜記」はずいぶん昔に読んだけれど、これだけはまだだった。大岡氏の個人的な体験に根ざした俘虜記などは、頭の中に浮かんでくる映像がモノクロだったけれど、この作品はカラーだった。心象を描いた作品と、記録を追い続けた戦記の違いなのだろうか。小戦闘の連続で動きを把握するのに苦労したり、読むのが疲れる部分もあったが、「不条理に死んでいった兵士らのために」という著者の姿勢は一貫しており、背筋が自然と伸びる箇所が多かった。栗田艦隊の謎の敵前回頭についても結構把握できてよかった。


 日米両軍とも錯誤と手探りの連続で戦闘を進めていて、その過程で生と死が振り分けられていく戦場の無常さがいたいほど伝わってくる。読んでよかった。
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蹴球四十雀

Author:蹴球四十雀
滋賀のサッカーJFLチーム「MIOびわこ滋賀」を心の底から応援しつつ、たまにフットサルで息を切らす。一方、書斎での濫読(純文ラノベ歴史ノンフィクション)や琵琶湖周辺の野山歩きもこたえられません!

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