「失敗の本質」

 「失敗の本質-日本軍の組織論的研究」戸部良一ら著・中公文庫

 秋に読んだが、感想書いてなかった。この本がきっかけで太平洋戦争を中心に戦記関連などを読書中。ノモンハン、ミッドウエー、ガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄戦を事例として相手戦力の過小評価や希望的観測、ゆきすぎた精神主義、縦割り体制など日本軍が犯した失敗の本質を考察している。
 日本軍は多くの誤りを犯したが、気をつけなければならないのはその原因となった相手の過小評価や根拠なき楽観論などは、いつの時代にも起こりえることだということ。また、同時の日本軍もあほではないので、当然作戦への危惧や反対もあったが、それらがことごとく取り上げられなかったのも時代を問わないように思う。戦争は政治的、社会的企図を組織を通じて物理的な行動で示す行為なので、戦略的、戦術的な誤りがより浮き彫りになりやすく、失敗ならびに愚行について考えるのに最適な材料といえよう。ただ、無謀な作戦などで命を散らした先人のことを思うとあまりに重い考察材料だが。

 自衛ということもあるから、解決手段としての戦争行為を全否定するのは難しいが、昨今「誇り」「愛国」との言葉を高揚して用いる一部政治家をみると、こういう人々に軽々しく武力行為をとってほしくないなあと思う。いくら「あの戦争が聖戦だった」っていっても、インパールやガダルカナルの失敗をみるとまず死者の冥福を祈って、なんでこうなったか、自分や子供が兵士の立場でその上層部の失敗を許容できうるか、などをかんがえてからにしようよ、といいたくなる。結論がおんなじだったとしても。
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蹴球四十雀

Author:蹴球四十雀
滋賀のサッカーJFLチーム「MIOびわこ滋賀」を心の底から応援しつつ、たまにフットサルで息を切らす。一方、書斎での濫読(純文ラノベ歴史ノンフィクション)や琵琶湖周辺の野山歩きもこたえられません!

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