W杯コロンビア戦

 厳しい結果を覚悟して観ていたので、タイムアップ時の喜びこの上なかった。まずは、ひいきの原口選手がフル出場したのが嬉しかった。目立った動きはそうなかったが、最終盤まで地道に右サイドを埋め続けていた。ドリブルで突っかけたいだろうな、というシーンでもキープのためにボールを戻したり、ボールが来なくてもラインを出入りして相手DFにプレッシャーをかけていた、とみた。ロンドン五輪、ブラジルW杯とメンバー入りはならなかったが、この試合では勝利を支えた一人だったのは間違いない。試合後の充実した表情をみるとファンとしては感慨に堪えない。

 試合全体では、当然コロンビアが10人だったことが、もちろん大きい。コロンビアは後半、点を取りに来たいのか、守り倒したいのか中途半端だった印象で、そこで助かった面もあろう。日本のやり方が整理された後半は数的優位をもってボールを回し、柴崎選手のパスや乾選手のドリブルで相手の脚力を奪い、勝ち越しと守備につなげた。先制後に攻めなのか守りなのかどっちつかずだったのはどうかな、と思ったが、試合中に修正できたことは成果だと感じた。また先制PKに繋がる大迫、香川選手のシュートはハリル監督がやりたかったんだろうな、という見事な速攻で積み上げも無駄になっていないことがあきらかになったといえる。
 ラッキーだのなんだのいっても、実際に10人を相手にするのは結構難しいもの。「孤軍奮闘しただけ」と宣う識者の方もいるが、そもそも事前の分はコロンビアにあった訳で、いろいろな混乱に見舞われていた中で結果を得たことが全てではなかろうか。

 次のセネガル(対ポーランドの前半だけ見たが、やはり強烈)で同じようなことはまあ起きないだろう。やはり相当厳しい戦いになると考えられる。それでも、セネガルも同様だが、初戦の固さや重圧はある程度とれたことだと思う。引き続き熱く闘ってほしい。

 ハリル監督解任後、大会前に「それでも代表を応援するだろう」を書いた。コロンビア戦を職場で何人かと一緒に観ていたが、はじめは関心が薄かった人も食い入るように見始めたし、「どうせ負けるんでしょ」的な態度で無関心を装っていた人も、試合進行とともに画面に釘付けとなった。試合後は「いやーよく勝った」と明るい表情。これがW杯だと痛感したし、日本サッカーにとって代表はやはり希望である。しかも初戦をものにしたことで、3戦目まで決勝Tの可能性を確定させたことは大きい。
 結果をもって解任以降のプロセスを正当化してはいけないのはその通りだが、そこの議論は現場の選手に負わせることではない。「日本サッカーの将来のため」という御楯を掲げ、「結果を出すべきでない」「惨敗すべき」という識者のような人も見受けられたが、もはや持論を正当化したいためだけの曲言であろう。代表は、サッカーは、誰かの、何かの理論を正当化したり証明するためにあるのではない。今一度サッカーに関わるスタンスを見直されたらいかがだろうか、と思う。私は一緒に観戦していた人の笑顔と原口選手の表情をみて、やっぱりW杯で勝つっていいなあ、熱くなるなあ、と感じた。
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vs Honda

  3-4でリーグ4試合ぶり得点も4連敗

 家族のよんどころない用事でネット応援。はやい時間帯の失点はさけてーと思いながら更新していると、坂本選手が先制。おおっ、と驚いている間に失点、さらに逆転。やはりHonda強いか、と冷静になったところ前半終わり際に坂本選手2点目で同点。よし、前半でおいついたのは大きい、後半は耐えてと願い、坂本選複数得点でランク上がるな、と喜びながら、後半へ。久保選手の突き放すゴールでこれはもしかするか!とどきどきしながら時は進んだが、再び同点に大疲れ、引き分けでもしょうがないか、と気持ちを整理していたら終了間際に失点し再逆転されてゲームを終えた。

 ネットで更新かけていてもこれだけ気持ちが揺れ動いたのだから、現地では凄まじく面白く熱のある試合だったのだろう。あー応援に行きたかった。しかし家族としてしなければ行けないことはあるので、やむを得ない。
 Honda相手に打ち合いのゲームができたことは近年なく、手応え充分だろう。さすが坂本選手、久保選手である。自信にしてほしいし、チーム力がついていることを示すゲームだったととらえたい。会場に足を運んだ人たちにもよいPRになったのではないか。

 一方でいい試合をしても4連敗というのも事実だ。上位、強豪にはあまり勝てていないのは昨年と変わっていない。良い試合をしても勝ち点が付いてこなければ、順位には反映されない厳しさもある。こういうことになってしまうので、奈良か今治では1でも取っておきたかった、ということになる。このままずるずる行ってしまうのか、今年は違うところを数字で証明できるのか、分岐点にきていると思う。ただ、間違いなく力があることは示せたので、自信をもって闘ってほしいし、次節は万難を排して応援に行けそうなので、楽しみだ。

「ディス・イズ・ザ・デイ」

 新聞連載中から気にしていたけれど、間が空いたり、読めなかったりする時もあり、新刊を待ち望んでいた。せっかちな性分で通し読みでないと落ち着かないので、やっと買えた、通し読めた、という安堵感に浸った。

 さて、J2を舞台に、ある年の最終節に臨む22クラブの、22人のサポーターの物語である。最終節11カード分、11の章立ての連作短編だ。同じ日、同じ時刻、同じリーグの戦い(昇降格含む)が一つの焦点なので、クラブの成績のみならず、日本各地に散る登場人物の動向も時に交差する。クラブは架空の設定だが、どこをモデルにしているかJ2を見ている人なら分かるところもある。

 さて、主人公はサポーターたち、あるいはサポーターたちの人生だ。好きだったクラブから離れてしまったことに自責の念を抱えたり、ずっとスタジアムに通うことが当たり前だったり、サッカーに詳しくないのに、好きな人を追って観戦することになったり、うだつのあがらないクラブとのつきあいに疲れたり。子どもから老人まで、それぞれの人生を抱え、それぞれの人生がサッカーに、クラブにリンクしていく物語だ。
 クラブは、サッカーは登場人物たちにとって、時に呪縛となる。重荷となることもある。応援していても成績はあがらず、やめてしまいたい、とも思う。人生だって、いつもうまくはいかない。家庭内不和、仕事の悩み、恋人との関係‥22人、22通りの生き方がある。しかも「2部」。時に弱くて馬鹿にされ、なんで応援しているのか、と奇異の目にさらされたりもする。「やっぱ観るならバルセロナやユベントスだろ」的なことを言われることもある。カテゴリーが違うとはいえ、いい年となり、10年くらいMIOびわこ滋賀を応援してきた身にとっても他人事ではないようで、カテゴリー問わず国内サッカーのサポーターならだれもが一度は抱く感覚が描かれているのではないか。
 
 それでも一人はこう思っている。「ずーっと一人で冷たい広い川を渡っている感じ。つまんないのが普通で、でもたまにいいこともあって、それにつかまってなんとかやっていく感じなのね。~の試合があってくれるってことはさ、そういうところに飛び石を置いてもらう感じなのね。とりあえず、スケジュール帳に書き込むことをくれるっていうか。それってなんかむなしそうだけど、でも、勝負がかかってんのは事実なんだから、べつにむなしくもないんだよ」。サポーターたちは、多かれ少なかれ、そうやって生きていく。

 横浜フリューゲルスをモデルにしたであろう、消滅してしまったクラブの選手のその後を追い続けるサポーターの物語がある。17年前の17歳の時、クラブが突然消滅し「身体の中の血液が全て足元に落ちていくような」気分になり「飲んでいた紅茶が突然廃水の味になったように思え」て何度も口を洗う。「時間の止まってしまった人というのは、ある意味では幸せだけれども、自分の年齢ではまだ早いと思う。他のチームを好きになる時間はいくらでもあったし、サッカー以外にもおもしろい競技はある。なのに17歳からの17年間を、止まった時間の断片の行方を追うことに費やし」て、最後の一人を観にやってきた。目の前の試合を観ていても、想いは過去にある。それでも、サポーターの時を再び動かすのもまた、愛するサッカーであり、ともにあるクラブなのである。

 試合の描写はもちろん、スタジアムグルメやゆるキャラ、チャントやゲーフラなど、圧倒的な取材をベースに、津村記久子さんの抜群の筆力とサポーターへのまなざしが生み出す「サッカーと生きること」「クラブとともにあること」の物語だ。サポーターの自意識を絶妙なバランスで描く手腕はさすがに、一流作家さんである。
 11章で描かれた特別な最終節ののちに、昇格プレーオフと入れ替え戦のエピローグがある。やっぱり今そこにあるサッカーを愛するのはいいなあ、と思う。

※勝手に北からクラブのモデルを推測
ネプタドーレ弘前  =ラインメール青森
遠野FC      =グルージャかと思ったが?
白馬FC      =山雅でもパルでもなさそう
CA富士山     =甲府でいいのかな?
川越シティ     =特になさそうだが
松戸アデランデロ  =同上
三鷹ロスゲレロス  =思いつかない
カングレーホ大林  =FC東京?
熱海竜宮クラブ   =思いつかない
ヴェーレ浜松    =ジュビロ磐田
鯖江アザレアSC  =サウルコス福井?
琵琶湖トルメンタス =MIO琵琶湖滋賀!
オスプレイ嵐山   =京都サンガ
伊勢志摩ユナイテッド=ユナしてないし
奈良FC      =奈良クラブ
泉大津ディアブロ  =セレッソ大阪?
姫路FC      =おもいつかず
松江04       =松江シティ?
倉敷FC      =ファジアーノ岡山?
アドミラル呉FC  =一部サンフレッチェ
モルゲン土佐    =高知?
桜島ヴァルカン   =鹿児島ユナイテッド

本を手に順位を確認するのもまた一興。

フツーの少年サッカー パスかドリブルか

 先日も、近所の少年サッカーを見学した。またしてもいつもの難問に突き当たった。どちらも大事なのはわかりきった上で、パスか、ドリブルか-。

 見学したチームは、結果的にここ数年同じ子たちを見ていることになる5-6年生。3対3でスペースへのパスと受ける動きを繰り返して、効果的にゴールに迫る戦術練習をしていた。が、半数以上の子がドリブルを選択していた。一人外して、というならまだしも、中央で受けたのに全員抜こうとして、ボールこそ失わないものの、結局サイドに追いやられ、周囲の味方に出さず無理な突破でロスト、というパターンが多かった。練習の主眼は効果的にゴールに迫ろう、というところにあると思うので、見ていてもうーん、と首をひねってしまった。
 こう書くと批判的にみえるが、理由はよく分かる。この練習の前後に行っているミニゲームに顕著なのだが、①「足元の技術がおぼつかない子もいるため、パスを出しても受け手がミスをする」②「とにかくドリブルで抜くのが好きなので、パスを出しても返ってこない、なので自分でいってしまう(自分もドリブル好き)」ようだ。付随して、このチームは基本的にエンジョイサッカーで、子どもらの帰属意識も薄く、そもそも「勝つために手数かけずに崩したい」という要素が、ほぼ欠落している部分も大きい。チーム自体がそういう方針のようで、コーチもあえて口出しをせず、口を出してもチャレンジをほめているほうが多い。
 上記のような理由であれば、多少足元に自信がある子ならば「自分一人で行く」ことが最も効率よくゴールを陥れる手段だったりするのだ。サッカーはチームスポーツであり、そこをうまく誘導するのがコーチの手腕だろうといえばそれまでだが、一方でドリブル突破をほうちしていることで、面白い状況もみられる。複数人に囲まれ、ロストを繰り返しながらもなんとか取られまい、突破しようと試みているうちに、単純に足元の技術が高まっていくのだ。うまく出来なかったフェイントがスムーズに出るようになったり、球際の奪い合いで体の使い方や粘りが上達しているのも分かる。これはこれで「あり」だとも感じる。
 ならば、最初から3-3でなくドリブルに特化した練習をすればいい、ということにもなるが、ここでまた興味深い状況が生じる。3-3も後半になると疲れてくるのか、さすがの元気な子どもたちの足も止まり出す。そうなるとパスを出し始めるのだが、これが結構通る。トラップもしっかりしているし、受けて一つフェイクを入れてリターンする動きなど、子どもながらに「おおっ」という場面もある。「持ちすぎ、球離れの悪さ」である意味鍛えられた足元の技術が生かされるシーンがわずかではあるが、出始めていた。ここでコーチが、より一層おほめの言葉をかけることになる。
 
 素人ながらなるほど、と思う。練習メニューで求めるプレーをそのまま出すことだけが、必ずしも正解ではなく、あえて遠回りするやり方もありなのかな、と感じたし、やはり指導は効率いいメニューを考えてやらせればそれでよし、というものでもないのだなと実感した。

 ただ今のところ、やはりスペースへの意識、特に空いたところに入る、空ける、という点にはなかなか至っていない。まあ大人でも意外に難しい点ではある。また、子どもたちのサッカーに対する意識もあるだろう。サッカーはチームスポーツなので「ピッチにいる人数全員の力を最大化する」のが一つの正解なのだろうが、普通の少年チームであれば、モチベーションも技量も位置づけも様々で、統合するのがいいのかどうか、一概に言いがたい。パスかドリブルか-。子どもたちがどう変化していくのか、コーチたちがどう教えていくかは今後も見ていきたい。

vs FC今治

 0-1でリーグ戦3連敗。

 ネット応援だったが、0-0のまま後半も終了に近くなったところで失点、は奈良戦と似た感じなのだろうか。これでリーグ戦も負け先行か。このままいけば昨年の二の舞になりかねない状況でもある。奈良、大阪、今治と確かに強豪揃いだが、勝ち点ゼロではさすがに厳しい。3とは言わないまでも、2か1は取ってほしかった。
 失点はそう多くないので、やはり気がかりなのは無得点が続いていることだ。点がないと勝ち点に結びつきづらいのは道理。守備はそう悪くないだけに、なんとか上昇の兆しを見たい。もちろん守備とのバランスはあるが、一試合に2~3回は2列目、3列目が前に飛び出すようなことがあってもいいのではないか。

 と素人が書いてみたが、まず単純に今治が強かったということだろう。まだまだMIOの力が及んでいない、というだけなので、これから力を伸ばしていけばいい。力を伸ばせる選手たちだと思うので、ファンとしては活躍を祈って応援するのみだ。
プロフィール

蹴球四十雀

Author:蹴球四十雀
滋賀のサッカーJFLチーム「MIOびわこ滋賀」を心の底から応援しつつ、たまにフットサルで息を切らす。一方、書斎での濫読(純文ラノベ歴史ノンフィクション)や琵琶湖周辺の野山歩きもこたえられません!

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